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zoom RSS 臓器移植法案、A案可決 日本人の宗教観と政治。

<<   作成日時 : 2009/06/21 11:16   >>

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脳死は人の死かどうか。
臓器移植は積極的に推進されるべきかどうか。
これらの問いに合理的な論理で答えを導くことは出来ないのではないか。
結局これは宗教の問題ではないか。

日本人にとって宗教とは。
仏教でも神道でもなく、ましてやキリスト教のような一神教とは大きく違う。

喩えて言うなら、ご飯を食べるときの「いただきます。」。これが、日本人にとっての根源的な宗教ではないかとおもう。
「いただきます。」は不思議な言葉でもある。外国の人は、いったい誰に向かって言っているのか、どういう意味なのかと不思議がる。

森の中の大木に掛けられたしめ縄。
八百万の神。
木も、森も、石も、水も、雷様も日本人には全部神様。
日本人にとっての宗教とは、日本人の自然観そのものでもある。
「いただきます。」は誰かに言うのではない。あえて言えば自分を取り巻くすべてのものに向けられている。

誰に向けた言葉か、どういう意味かはっきりしない「いただきます。」を日本人は大切にしてきた。
もっと言いましょうとか、言う必要はありませんとか、政治が決めるべきじゃないのは自明だ。

脳死は人の死か?と言う問いも、そもそも政治が答えるべき問いではないのではないか。
「脳活動が生む意識こそがその人をその人たらしめる。心臓が動いているだけでは生きているとは言えない。」と言うような論理が命の意味を決めてしまうことに違和感がある。
そうした論理に従えば、独自の宗教観に基づいて日本人が大事にしてきた、一見役割の曖昧なものはどれもこれも不要ということにならないか。

少なくとも僅か九時間ほどの委員会審議と居眠りだらけの本会議で決められるような事柄ではない。

僕個人は臓器移植に関連した法整備を急いで進めるべきとは思っていない。
人間は他人の臓器を移植してまで生きるべきなのか? この問いにはまだ答えきれないでいる。いつか答えられるようになるのかどうかも覚束ない。もっと言えば、誰も答えることは出来ないのではないか。
だとすれば、政治が「脳死は人の死である。」と結論づけようとすること自体が馬鹿げているということになる。

脳死が人の死であるかどうか。これは政治の課題である前に、日本人の宗教観に基づいてもっと広くもっと時間をかけて語り合い落ち着きどころを求めるべきではないか。家族が、インテリたちが、宗教家同士で、思いを披瀝したり、意見に耳を傾けたりしながら、自然に緩やかな合意が生まれるのを待つしかないのではないかと思う。雨が降った後の川の水がいつしか澄んでいくように。

そうやって生まれた緩やかな合意は個人の意思を排除しないだろう。
法律はそれに従って最低限の整備をすればいい。厳格な法律を一律に押しつけるべきではない。

そんな悠長なことは言っていられないという意見の人もいるだろう。
それが一刻も早く臓器移植を必要とする人、その家族であったなら、彼らの切実さの前で僕はただ口を噤むほかないのだが。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
医療の発達の問題と背中合わせな気がします。
今までは出来なかった事が、出来るようになった…。
倫理・宗教問題と、「地球は丸かった」という話、を
僕もisoyaさんと意見を同じくしながらも、
悩ましい話として共感したいと思います。
スナーン
2009/06/27 03:38
コメントありがとう。
地球が丸いかどうかは未だ分からない。丸いと思わせておいた方が何かと都合がいいと考える、あるグループの陰謀である可能性も捨てきれない。
ところで「1Q84」が宗教(のようなもの)をテーマにしている。宗教とは何か。善とは? 六十にして人類にとっての普遍的な問いに真っ向から取り組もうとしている。そのこと自体が感動的だ。
isoyaq
2009/06/27 13:29

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