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zoom RSS 映画「麻薬3号」 雑感。

<<   作成日時 : 2011/05/07 20:34   >>

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先日、神戸の元町まで出かけて、元町あたりが舞台の映画「麻薬3号」を観てきた。

監督 古川卓巳
主演 長門裕之、南田洋子、大坂志郎
1958年 日活

なんといっても昭和三十年代の神戸の街の様子や、建物、港の風景などがすごくおもしろかった。映画に現れる建物のいくつかは今もまだ残っているものもあって、「あ、知ってる!」と心のなかで確認しながら観た。主人公がヤバい仕事を請け負うシーンが撮影されたジャヴァという喫茶店は、なんと今でも三宮の高架下で営業中。帰りに寄ってすっかり寂れた店内でコーヒーを飲んだ。

当時の神戸は戦争からまだ十分に復興していなくて、焼け野原みたいなところも一部残っていたようだ。混沌として、猥雑で、エネルギーに溢れてて、こちゃこちゃとちんまくて、何かが映るたびにおもしろくて懐かしくてしょうがなかった。入り組んだ裏通りの角を曲がると一体何に出くわすかかわからないような、まだいろんなモノが未分化の当時の雰囲気(僕が生まれる前だからもちろん想像)が良く出ている。街って、やっぱりワケのわからなさを含んでなければダメだとあらためて思う。整理し尽くされると街は死ぬんだわ。

ちょっと印象的なのは、坂の多い街だから、描かれる街の地べた周りは猥雑で薄汚くても、ビルの屋上や坂の上の下宿など、ちょっと高いところに上がると、そこから気持よく開けた風景が広がる。それが時々いい感じに挟み込まれてこの映画の印象をヌケの良い気持ちのいいものにしてる。そういうところもよかった。

時代から言ってもフィルム・ノワールを神戸を舞台に翻案したものなんだろう。主人公はぶっきらぼうにかっこつけてがんばってるし、当時としては斬新なトーンの映画なんだろうけれど、本家と比べるとずいぶん牧歌的だ。あるシーンで長門裕之演じる主人公のチンピラと本物のヤクザが対決せざるを得なくなるんだが、命のやりとりをしようと言うのに二人がお互い拳銃を捨てて素手で殴り合う。太陽がキラキラする波打ち際で。わははは。高校生か!とつっこみたくなるが、いやいや今の高校生はそんなにかわいくない。つっこむなら、だいぶ前の高校生か!だな。

他のエピソードも現代の感覚からすれば、甘すぎると感じるものが多いけれど、まあええやんかとも思った。
やっぱりフランス人みたいな酷薄さは日本人にはないんだからしょうがない。日本人らしさの範囲で無理なく描いたからこそイキイキとした部分もあるし、血なまぐさい映像に慣らされ鈍磨した感覚にもう一回潤いを与えてくれるような気もした。
もちろんこの時代に戻ることはできないのだけれど、これを許容した当時の人達の感覚、映画を取り巻く時代の雰囲気に触れて、今との距離を測れたような気もした。

長門裕之が若い頃は桑田佳祐そっくりなことや、南田洋子がビックリするくらいきれいなのも見ていて楽しかった。二人はこの映画がなれそめかなあ。とか、あれやこれやいろんなコトを思いながら観た。

映画史に残る傑作ではないけれど、当時の新しい映画の感覚を取り入れよく工夫されている。夢いっぱいに映画作り関わった人たちの懸命さが伝わってきて、観終わってからも気分が良かった。良作だと思う。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
元町映画館か〜冷たい熱帯魚もやってるやん!神戸行く機会あればのぞいてみよ。
ツボ
2011/05/08 06:43
あ、書き忘れたけど麻薬3号は上映終了。冷たい熱帯魚もそろそろ終わりちゃうかなー。ごめーん。元町の商店街なかなかいい感じやったよ。新しすぎず、地味だけど活気があった。
寂れたモトコータウンも面白いし。
isoya
2011/05/08 09:25

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